SECCHU 軽くて割れないティーポット・急須

サイズ:直径109x最大幅150x蓋含む高さ125mm / 茶こし内径88x高さ75mm
素材・材質:本体・蓋 飽和ポリエステル樹脂(トライタン樹脂) / 茶こし 18-8ステンレス
生産国:日本/燕市
本体重量:157g
製造元:株式会社曙産業 / 発売元:有限会社ナガオ


ガラス製品は割れる。
だから、取り扱いには気をつけなければいけないことは知っている。
毎日、たいがいは、慎重にやっている。
けれど、ふと、気の緩む時もある。
それは、仕方のない光景。
片付けをしている後ろ姿は誰にも知られない。
手を切らぬように破片を注意して集めて、細かいカスが残らぬようにほうきで丁寧に掃く。
そっと新聞紙にくるんだうえで、『ガラス注意』のメモを貼って指定の収集日に出す。
作業が終わるころには、若干ナーバスな気分になってしまっている自分がいる。
ガラスが割れるというのは、そういうことだ。


ナガオの軽くて割れないティーポット・急須。
名を、SECCHUという。
和洋折衷の、折衷を現わす。
ティーポットのみならず、急須としても使っていただけるフォルムとカラー。
まず、特筆すべきは前述したような悲劇が起きないこと。そう、割れない。
それも、ただ割れないだけじゃない。
二階の窓から落としても割れない。
もっといえば、成人男性が金属バットでフルスイングして打っても割れない。
つまり、日常生活においての使用に際しては割れないと言い切っていいだろう。

なぜ、割れないのだろうか。
それは、飽和ポリエステル樹脂(一般名称トライタン樹脂)を使用しているから。
この樹脂は非常に軽量で丈夫なうえ、プラスチック製品のネガティブな要素である、『熱湯でなにかが溶け出す心配』がない。
本製品に使用している樹脂はEastman社のTritan™。BPA(ビスフェノールA)を含有せず安全性が高い。
そのためトライタン樹脂は、高温での殺菌洗浄が求められる乳幼児用品や医療部品にも使用されているという実績がある。

一般的には、トライタン樹脂の製品はクリアカラーで作られることが多い。
透明度が高いからだ。
けれど、それじゃあ、つまらない。そういう製品はもうある。二番煎じ。

ある日、私は"有色のトライタン"というものを見た。
これがまた、なんとも形容しがたい質感で思わずその場でうなる。
製品の表面は艶ありなのだが、製品の色自体が艶の一段奥に見えるような不思議な感覚。
無茶を承知でいうならば、琺瑯のような雰囲気。
「これで、商品にさせてもらえません？」
ここの行間でいろいろとあったが、こうして製品となった。

製品自体の仕様に戻ると、容量は満水で480ml。
たっぷりと作って約400mlのお茶や紅茶が淹れられる。
大ぶりのマグカップだと1～2杯。湯呑みやティーカップで3杯程度といったところ。
茶こしの構造は、ほぼ底までと深く、広口のステンレス製茶こしがセットされており、茶葉が混じらずに淹れることができる。
注ぎ口は細めの形状で水切れがよく、液だれすることはほとんどない。
カラーは3色。ホワイト、レッド、ネイビー。色味についても単純な片仮名では表現が難しい。
ホワイトは真っ白ではないもののクリーム色要素が少ない牛乳。そう、ミルクホワイト。
レッドは赤にかなり茶色を混ぜ込んだような風合いで、朱色というのが近いのかもしれません。
ネイビーは黒っぽくもありながら、艶によって鮮やかな紺色の発色をみせる。
これが、ナガオのSECCHUティーポット・急須の全容。

製造を請け負ってくれたのは、私たちナガオと同じ燕市に所在する株式会社曙産業。
プラスチック製のキッチンウエアのなかでも、アイデアに富んだ製品を数多く発売しているメーカー。
この、曙産業はすごい。
製品企画や現代的な製造ライン、一貫した国内製造もさることながら、製品を形づくる金型を自社内でつくることのできる、非常に稀な企業。
つまり、企業としての機動力が高い。だから、いろいろなアイデアを短期間でカタチにして試すことができる。
そういった製造元で、このSECCHU ティーポット・急須はつくられている。

全ての要素において極端に振り切ったKOGEI ティーポットとは異なり、SECCHU ティーポット・急須は便利で手軽でお求めやすい価格を実現した、みんなにとっての実用品である。